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新潟の弁護士が解説! 遺言書と財産目録の作成方法・注意点とは

2018年11月06日
  • 遺産を残す方
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新潟の弁護士が解説! 遺言書と財産目録の作成方法・注意点とは

新潟といえば日本有数の米の産地でもあり、田畑を所有している方も少なくありません。遺産分割を行ってしまうと、大事な田畑が狭く分割されてしまう可能性があり、今後も農業を続けてほしいと望むならば、分割は避けたいと思うこともあるでしょう。

また、相続人間で土地建物や田畑をめぐって争いが起こる場合もあります。収穫に向けての農作業を放棄する者も出てくると、田畑の運営がままならなくなることもあるかもしれません。

そうなるのは、田畑を守り続けてきたものとして、大変不本意なことではないでしょうか。そのような事態を回避する手段のひとつとして、特定の子どもに田畑を譲るべく遺言書を作成する方法があります。

具体的にどのように作成すればいいのか、遺言書の種類や書き方、注意点について、新潟オフィスの弁護士が解説します。

1、遺言書には種類がある

民法に規定されている「遺言書」とは、亡くなる方が残される家族に向けて、遺産をどのように分割するかなどの自らの意思を表明し、死後遂行してもらうために遺す文書です。

ただし、遺された内容が効力を持つのは、遺言書を書いた「被相続人」が他界したあとになることから、本当に本人が書いたかなどの証明が難しくなります。そのため、民法第960条から第1027条によって、法的な効力を持つ遺言書の方式やその書き方、効力、執行、破棄の方法、遺留分などについてまで、詳細に定められています。

緊急の事態を除いて、平常時に遺す「遺言書」には、大きく分けて3種類あります。一般的に遺言書を作成する場合は、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類から、遺言書を作成する被相続人が選んで作成することになります。

たとえば、「自筆証書遺言」で作成したけれど、これを無効にして、新たに「公正証書遺言」で作成するといったことも可能です。ただし、古い内容の遺言書は争いの元になることがありますので、確実に破棄するなどの対応を行っておいたほうがよいでしょう。

では、3種ある遺言書の特徴やメリット、デメリットを解説します。

  1. (1)自筆証書遺言

    「自筆証書遺言」とは、自筆の遺言書です。いつでもどこでも、紙とペン、印鑑があれば作成できるため、費用がほとんどかからないというメリットがあります。自筆証書遺言書では、基本的に新しい記載が優先されます。以前作成した遺言書を訂正・撤回したい場合は、新たに作成すればよいだけですので、もっとも簡便といえます。

    ただし、すべて手書きで作成しなければならず、日付と署名が必要とされるなど、詳細な要式が定められていて、記載内容によっては無効になってしまうデメリットもあります。また、内容の証明がされていないうえ、遺言書の有無を遺族が知らない可能性もあります。よって、紛失や改ざんのおそれがある点もデメリットです。

    また、被相続人が死亡し、相続が発生したときには、相続人が自筆証書遺言を家庭裁判所に持参し、検認を受ける必要があります。

    なお、すべて手書きという部分については、平成31年1月の法改正以降、今後一部見直しになります。

  2. (2)公正証書遺言

    「公正証書遺言」とは、公証役場で遺言書を作成してもらう遺言書です。公証役場の公証人に遺言書を作成してもらうため、公的な第三者の元に、本人の意思が反映された遺言が証明されるメリットがあります。公証役場に原本が保管されているため、遺言書の保管に困ることもなく、内容がすでに証明されているため、検認手続きは不要です。家族には、公正証書遺言がある旨を伝えておけばよいだけです。

    また、公証人と相談しながら遺言書を作成することができるため、法的にムダな記載や相続人にとって争いの種となるような記載を避けることも可能です。自筆証書遺言はすべて自分の手書きで作らなければならないのですが、公正証書遺言は、公証人が作成してくれるため、諸事情で自筆できなくとも問題なく作成できます。

    ただし、公正証書遺言を作成するためには、費用が必要です。それから、公正証書遺言を作成する際には、証人2名の立ち会いが必要となります。証人として指名できる人物も厳密に定められていて、該当者がいない場合は公証役場で紹介してもらえるものの、やはり費用はかかるという点にも留意する必要があるでしょう。

    また、訂正するごとに費用がかかってしまうため、安易な気持ちで作成することができない点がデメリットといえばデメリットになるかもしれません。現状、もっとも正確かつ、紛失・改ざんの危険性がない遺言書作成方法であることに間違いありません。

  3. (3)秘密証書遺言

    「秘密証書遺言」は、自分で作成した遺言書があることを公証役場で証明してもらう遺言書です。自筆証書遺言と異なり、本文もパソコンなどで作成することが可能です。遺言書を作成し、封緘(ふうかん)したものを公証役場に持参し、公正証書遺言と同じく証人2名の元、届け出を行います。誰にも内容を知られることなく遺言書を作成できる点がメリットです。

    しかし、秘密証書遺言の場合、その内容について専門家がチェックしていない限り、自筆証書遺言と同じく、内容に不備などがあった場合に、無効になるおそれがあります。同時に、公証役場は遺言書があることを証明しますが、保管は自分で行う必要があるため、紛失・改ざんの危険性は残ることになります。

    また、自筆証書遺言同様、内容の証明はされていないため、相続の開始に伴い、家庭裁判所の検認手続きが必要になるというデメリットもあります。

2、遺言書に書いて効力を持たせられる事項とは?

いざ遺言書を作成しようとしたとき、どんなことを書いたらいいのだろうと疑問に思うかもしれません。遺言書に書くことで、効力を持たせることができる事項と、効力がない事項があります。

  1. (1)財産や相続、身分にかかわること

    遺言書に記すことで、法的な効力を持たせられる事項は、財産に関係することと、身分に関係すること、相続に関することなどに限られます。

    たとえば長女に3分の2、長男に3分の1などといった財産の分配方法や、長男に家屋を長女に株式を、などといった財産の帰属に関する事項があげられます。また、相続人ではない第三者に渡したい財産がある場合は、その記載をすることも可能です。

    さらに、遺言執行者の指定、子どもの認知なども必要に応じて記載しておけば、死後、効力を持たせることができます。

  2. (2)財産に関係ない事項

    自分の気持ちを残された家族に伝えたい場合など、財産に関係のない事項を遺言書に書いておくこともできます。しかし、それらは何ら法的拘束力を持ちません。たとえば、子どもたちに対して「みんな仲良く暮らすこと」などと書いても、強制力はないということです。

    また、遺留分を放棄してほしいなどの文言について、遺言書に記載することはできますが、相続人を拘束する効力はありません。一方で、「このような理由でこの分配方法にした」など、遺産の分配比率の理由などを遺すことで、残された家族へあなたの気持ちが届けば、遺産争いが起こらずに済む可能性もあるでしょう。

3、法的な効力が失われてしまう遺言書とは?

遺言書は、検認手続きによって公文書として扱われるほどの法的な効力があり、だからこそ、厳密に要式が定められている文書です。つまり、様式が守られていなければ、せっかく作成した遺言書が無効になってしまうケースもありますので注意が必要です。

たとえば、本文をパソコンやワープロで作成してしまった自筆証書遺言は、サインなどは自筆だったとしても、要件を満たしていないとしてその遺言書全体が無効となってしまいます。また、遺言書を作成した日付が明確に記載されていないケースも無効です。

さらに、遺言書は、たとえ同じ内容でもひとりひとり作る必要があります。民法第975条にて「共同遺言の禁止」が明言されているため、連名で作成した遺言書も無効になってしまいます。つまり、1通の遺言書を夫婦連名で遺したとしても、無効になるということです。

また、冒頭のケースのように、土地建物や農地が相続の対象となっている場合は、さらに詳細な決まりがあります。状況によっては、税金などで大きな打撃を相続人に与えてしまう可能性もあるでしょう。まずは専門家に相談することをおすすめします。

4、財産を調査する必要性

自分の財産を客観的に目録としてまとめている人はそれほど多くないかもしれません。自分の財産を調査して一覧などにしておくことは、遺言書を作成する際に、家族への配分などを検討するうえで役立ちます。また、あなたが作成した遺言書と目録があれば、遺族は再調査する必要がないため、それらを元に遺産分割が実行されます。

もし、再調査せず、これぐらいだろうという臆測を前提に遺言書を作成してしまうと、実際の財産とは大きく異なる価格を記載してしまう可能性もあります。この場合、法的な効力を失ってしまうケースもあるでしょう。

さらに、家族があなたの財産について勝手な想像をしているケースもあります。「これだけではないはずだ」などと争いが起きることもあり得るのです。無用な争いを避けるためにも、財産を改めて調査して、目録として記録を遺しておくことは、とても重要なことといえるでしょう。

実際に、大震災のあとに、残された家族が生命保険の加入状況を調査するのが大変だったという声があがりました。あらかじめ調査し、目録としてまとめておけば、特に家族が把握しづらい、加入している生命保険や遠方に所有している不動産などについて、相続人に知らせることが可能になります。

5、財産目録の作成方法は?

調査した財産について、一覧の表にしたものを「財産目録」と呼ばれています。財産目録には、すべての財産を記載する必要があります。たとえば、借金などのマイナスの財産についても記載します。漏れがないように気をつけましょう。

自筆証書遺言は、財産目録についても手書きで作成しなければなりませんでした。しかし平成30年7月に成立した法改正により、財産目録についてはパソコンなどでの作成が可能になりました。これにより、追加や訂正がしやすくなったため、作成しておくことをおすすめします。

前述のとおり、財産を改めて調査し、目録を作成しておけば、あなた自身が遺言書を作成する際はもちろん、残された家族にも役立ちます。財産目録の作成方法がわからない、調査する時間がないなどのケースは、弁護士に依頼することをおすすめします。

6、まとめ

法的な効力を持つ遺言書を作成するためには、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のどれかを選んで作成する必要があります。それぞれ定められた要件があるため、作成する際には注意が必要です。

自筆証書遺言や秘密証書遺言の内容について弁護士などの専門家に相談して作成すれば、無効になってしまったり、遺言書そのものが争いの元となったりする可能性を阻止できる可能性がより高めることができます。

どの遺言書を作成したらいいかわからない方や、どのように遺言書を作成すればいいのかアドバイスを受けたい方もいるでしょう。遺言書の作成でお困りならベリーベスト法律事務所 新潟オフィスまでご連絡ください。ベリーベスト法律事務所であれば、税理士や行政書士とも連携できるため、より最適な遺言書の作成が可能です。新潟オフィスの弁護士が力を尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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