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酒に酔って暴力をふるったらしいが覚えていない! 罪に問われる?

2023年07月20日
  • 暴力事件
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酒に酔って暴力をふるったらしいが覚えていない! 罪に問われる?

銘酒どころでもある新潟では、お酒をたしなむ習慣が生活に深く浸透していることがうかがえます。実際に国税庁が公表する「令和3年度成人1人当たりの酒類販売(消費)数量表(都道府県別)」によると、新潟県における「清酒」の成人ひとり当たりの年間販売(消費)数量は、全国1位です。

適度な飲酒は、生活の潤いとなり人間関係を深めることにもつながります。しかし適量を超えた飲酒は、アルコール依存症になるリスクや暴行・傷害事件の加害者になってしまうリスクも秘めています。

本コラムでは、飲酒時に暴力をふるってしまったときには逮捕されるのか、記憶がない、覚えがない場合はどうなるのかについて、ベリーベスト法律事務所 新潟オフィスの弁護士が解説していきます。

1、飲酒時の暴力は罪になる? 記憶がなくても逮捕される?

  1. (1)飲酒と暴力の関係

    まず、飲酒と暴力との関係をみていきましょう。
    一般的に、飲酒によって家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス)や児童虐待・高齢者虐待などの暴力が増加する傾向にあると言われています。
    飲酒によって暴力が増加する背景には、飲酒というアルコールの摂取によって酩酊(めいてい)し、攻撃性が増すなどの直接的な影響があります。また習慣的な飲酒によってアルコール乱用やアルコール依存症などの疾病にかかり、その疾病が暴力につながるといった間接的な影響もあるでしょう。
    飲酒が暴力につながったり酒乱傾向を自覚する場合には、可能な限り飲酒を控えたり断酒したりすることが望ましいと言えます。しかし依存症に至ってしまっている場合には、アルコール依存者が自力で断酒することは難しく、家族が適切な治療を受けて改善させることが大切です。

  2. (2)飲酒によって記憶がなくても犯罪になりうる

    適量を超えてお酒を飲んだ場合には、飲酒時の記憶が曖昧で後日「酔って店員を殴っていた」などといった事実を知らされるケースも少なくありません。
    このような飲酒時の暴力は、犯罪になるのでしょうか。また、自分では暴力をふるった記憶がない場合でも、逮捕されることはあるのでしょうか。

    その点を理解するためには、まずは「お酒に酔っている状態」について知っておく必要があります。お酒に酔って記憶がない、いわゆる「酩酊(めいてい)状態」は、大きくわけて3つに分類されます。

    ●単純酩酊
    一般的な「飲みすぎてしまった状態」を指します。感情が不安定になる、人柄が変わるといった点は見受けられるものの、異常な行為などを起こすことはありません。たとえ、この状態で暴力事件を起こしたとしても、酔いはあくまで誘発的な役割に過ぎず、完全責任能力が認められます。

    ●複雑酩酊
    平常時はコントロールできている脳機能の衝動性や未熟性が、アルコールによって活発化し著しい興奮状態に陥ります。持続時間はかなり長く、たとえ収まったとしても興奮が再熱することも少なくありません。重大な情動犯罪につながることもあります。この状態になると記憶が断片的になることが多いですが、大枠の記憶は保持されます。限定的に刑事責任能力が認められるでしょう。

    ●病的酩酊
    意識障害が発生し、幻覚や妄想が生じたり、自分のおかれている状況を把握したりすることが困難になります。周囲の状況のへの認知は、ほぼ不可能となり、重大な犯罪に及ぶこともある危険な状態です。刑事責任は、原則としては無能力が認定されます。

    刑法では第39条で「心神喪失者の行為は、罰しない」ことと、「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」ことを規定しています。

    お酒に酔って記憶がない場合には、暴力をふるったとしても「心神喪失」や「心神耗弱」を主張する余地があるのではと考えるかもしれません。しかし、これらに該当する可能性があるのは、複雑酩酊病的酩酊であると認められた場合のみです。

    いつもよりも飲みすぎて店員を殴ってしまった、酔っぱらい同士でケンカになってしまったというようなケースでは、単純酩酊の場合が多いでしょう。つまり、このようなケースではアルコールの摂取で酩酊状態となり暴力をふるった記憶がないとしても、罪を逃れたり減刑されたりする可能性は極めて低いと考えておくべきでしょう。
    むしろ任意の取り調べの段階で、暴力をふるった記憶がないからといって客観的事実があるのに否認し続けていると、逃亡のおそれがあると判断され逮捕されてしまう可能性も考えられます。

  3. (3)飲酒時の暴力はどのような罪になる?

    飲酒時であってもそうでなくても、人に対して暴力をふるえば暴行罪や傷害罪に問われる可能性があります。
    暴行罪とは、相手に暴行したものの怪我を負わせることがなかったときに問われる可能性がある罪です。たとえば相手を怪我させることはなかったとしても、故意に蹴ったり殴ったりしたような場合に成立します。
    暴行罪の刑罰は、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留・科料です。

    傷害罪とは、人の身体を傷害した場合に問われる罪です。
    つまり暴力をふるい相手に怪我を負わせたときには、傷害罪に問われる可能性があります。
    傷害罪の刑罰は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。暴行罪より重い量刑になります。
    そのほかにも暴行の内容や状況によっては、公務執行妨害罪強制わいせつ罪、自治体の迷惑防止条例違反が成立することがあります。

2、いつ逮捕される可能性がある?

逮捕の方法には、現行犯逮捕・通常逮捕・緊急逮捕の3つの種類があります。
緊急逮捕は、重い犯罪容疑でのみ適用されるので、飲酒時の暴力のみでは緊急逮捕ということは通常ないでしょう。
飲酒時の暴力で逮捕されるときには、「現場などで現行犯逮捕される」または「後日通常逮捕の方法で逮捕される」と考えられます。

  1. (1)現場などで現行犯逮捕

    現行犯逮捕は、犯行中や犯行直後に逮捕令状なしで誰でも行うことができる逮捕です。
    たとえば、飲酒している居酒屋で暴れて他の客などに暴力をふるったような場合では、犯行現場である居酒屋または犯行直後に移動した場所などで、店員や店内にいた他の客などによって、現行犯逮捕される可能性はあるでしょう。
    ここで、一般の人が逮捕できるのかという疑問が生じるかもしれません。しかし、現行犯逮捕に関する要件を満たしている場合に限り、一般の人(私人)でも逮捕行為が許容されます。

  2. (2)後日令状により通常逮捕

    通常逮捕は、犯行後日に逮捕令状をもった警察官が自宅や職場などに来てなされる逮捕です。たとえば飲酒時に暴力をふるった後その場から逃走した場合でも、防犯カメラの映像や目撃者が撮影した動画などの証拠がそろっており身元が判明した場合は、犯行の後日に通常逮捕される可能性があります。

3、逮捕された後はどうなるのか?

現行犯逮捕または通常逮捕によって被疑者として警察署に連行された場合には、主に以下のような流れで手続きが進みます。

  1. (1)警察での取り調べ

    警察署に連行された場合には、警察官による取り調べが行われます。通常この取り調べの間は、警察署の留置場で過ごすことになります。
    警察は、逮捕時から48時間以内に検察官に送致します。

  2. (2)検察官送致・勾留

    検察官に送致された場合には、検察官による取り調べが行われます。
    検察官は、送致時から24時間以内に裁判官への勾留請求をするかどうかの判断をします。
    勾留とは、引き続き被疑者の身柄の拘束が続けることを言います。勾留は、被疑者が住所不定の場合や、罪証隠滅、逃亡のおそれがあるときに認められます。
    勾留期間は請求の日から原則10日間ですが、やむを得ない事情があると認められるときにはさらに10日間まで延長され、最長20日間にわたって勾留されます。
    つまり勾留が決定すれば、身体拘束期間は逮捕時から最大23日間にも及ぶ可能性があるのです。長期の拘束は、学校や職場などに事件を知られるおそれが高まるなど、社会的影響は避けられません。可能な限り、勾留を阻止するための活動が必要になります。

  3. (3)起訴・不起訴

    検察官は、勾留期間の満了までに起訴・不起訴の判断を行います。
    不起訴と判断された場合には、被疑者は釈放され前科が付くこともありません。

    一方、起訴と判断された場合には、被告人として刑事裁判の中で罪の有無や刑罰について判断されることになります。日本においては起訴された場合の有罪率は非常に高く、99.9%とも言われています。つまり、不起訴を獲得するための活動が必要不可欠です。

    また、全面的に罪を認めていて起訴が免れない場合には、刑務所ではなく社会の中で更生を目指す「執行猶予付き判決」を獲得するための活動を行うことが重要になります。

4、逮捕が心配なら早期に弁護士に相談!

「飲酒時に暴力をふるってしまい逮捕されるかもしれない」と不安に思っている方は、早期に弁護士に相談し対処することが大切です。

  1. (1)飲酒時の暴力事件を解決するために必要なこととは

    飲酒時の暴力事件を解決するためには、「被害者との示談交渉」が重要なポイントになります。被害者がいる刑事事件では被害者の感情が重視されるので、早期に被害弁償して被害者に宥恕(ゆうじょ)の意思を示してもらうことで、事態の悪化を防ぐことができます。
    たとえば逮捕前に被害者との示談が成立していれば、被害届を出されないので事件化することを回避できるでしょう。
    また、逮捕された場合でも被害者との示談が成立することによって、勾留や起訴を阻止して早期釈放につなげたり、起訴されても有利な判決を得られやすくなったりする可能性が高まります。

  2. (2)弁護士に相談するメリットとは

    逮捕から最長72時間は、外部との連絡は一切できません。これは、ご家族や親族であっても例外ではありません。この期間、面会の権利が認められているのは弁護士だけです。取り調べに対するアドバイスはもちろんのこと、ご家族からのメッセージを伝言するなど、精神的にも心強い存在になります。
    また弁護士は、捜査機関や裁判官に働きかけを行い早期釈放・減刑や執行猶予の獲得に向けた弁護活動を行うことができます。刑事事件では、逮捕後72時間以内に弁護士を選任し、初期の弁護活動を行うかどうかで、その後の流れに大きな違いが生じるとも言われています。したがって可能な限り早期の段階で弁護士に相談し、適切な対策をとることが大切です。

    弁護士は、弁護活動と並行して、被害者との示談交渉も進めます。暴力事件の場合、被害者の方は恐怖心を抱いている可能性も高く、加害者はもとより、加害者の家族などからの連絡も拒否することが少なくありません。しかし、弁護士が代理人として対応することで、話し合いの席に着いてくれる可能性は高まります。被害者感情に寄り添いながら、適切に示談交渉を進めるためにも、弁護士のサポートは必要不可欠でしょう。

5、まとめ

本コラムでは、飲酒時に暴力をふるったとされているが覚えていない場合も、逮捕されたり有罪になったりする可能性はあるのかについて解説しました。
深酔いしており記憶がない、お酒のせいで制御ができなかったなど、飲酒によって正常な判断ができなかった状態であっても、逮捕され足り、刑事事件となり前科がついてしまう可能性は十分あると言えるでしょう。しかし、弁護士に相談して、状況を客観的に見極め適切な対応をとることで事態を深刻化させないで済むことも少なくありません。
ベリーベスト法律事務所 新潟オフィスの弁護士は、ご相談者の方にとって最善の結果につなげられるように状況に合わせた適切な活動を行います。飲酒が原因の暴力事件起こしてしまった場合は、早急にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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