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海外赴任の駐在員が離婚する場合の手続きについて。 住民票は必要?

2021年07月15日
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海外赴任の駐在員が離婚する場合の手続きについて。 住民票は必要?

新潟県の人口動態統計によると、同県内における令和元年(2019年)中の離婚件数は2823件、対して婚姻件数は8742件でした。

海外赴任中の方が配偶者と離婚をする場合、一般的な離婚とは異なる手続き上の懸念事項があります。「離婚届はどこに提出すればよいのか」、「調停や訴訟はどこの裁判所に申し立てるのか」、「住民票は必要か」……など、海外赴任者の離婚には特有の問題が存在します。

海外赴任者の方がスムーズに離婚を実現するためには、弁護士に相談して手続き面でのサポートを受けることが効果的です。

この記事では、海外赴任中の方が離婚をする場合の手続き上の注意点について、ベリーベスト法律事務所 新潟オフィスの弁護士が解説します。

(出典:「新潟県の令和元年人口動態統計(確定数)の概況を公表します」(新潟県))

1、夫婦の一方のみが海外在住の場合の離婚手続き

まずは、夫婦のうち一方が日本国内在住、もう一方が海外単身赴任などで海外在住の場合の離婚についてどのような手続きが必要となるかを、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つに分けて見てみましょう。

  1. (1)協議離婚の場合|国内在住者の住所地または本籍地で離婚届を提出

    協議離婚について合意した場合、役所に離婚届を提出する必要があります。
    離婚届の提出先は、国内在住者の住所地(所在地)、または夫婦の本籍地を管轄する市区町村役場です

    離婚届は代理人による提出が認められていますので、国内在住者の側が、海外在住の配偶者の分も代理して離婚届を提出すればOKです。
    なお、この場合は後日役所から海外在住の配偶者に対して、離婚届が提出された旨の通知が行われます。

    協議離婚の場合、役所に離婚届を提出するだけの夫婦もいれば、夫婦間で以下のような離婚条件について話し合い、合意に至った内容を離婚協議書にまとめる場合もあります。

    • 財産分与
    • 養育費
    • 親権
    • 面会交流
    • 慰謝料
    • 年金分割


    離婚条件の話し合い自体は、ビデオ会議や電話などを活用してリモートでも行うことが可能です。また、離婚条件に関する契約の締結についても、電子契約の形式をとれば契約自体は有効となります。

    ただし、財産分与の履行や将来の養育費の支払の約束が履行されないような場合に備えて、強制執行できるようにするためには、公証役場で公正証書を作成する必要があります。

  2. (2)調停離婚の場合|申立先を合意で定めることが可能

    調停離婚の場合、家庭裁判所における調停を通じて離婚条件などを話し合います。
    夫婦の一方が海外在住の場合でも、申立先の家庭裁判所を夫婦双方の合意によって定めれば、その裁判所に対して離婚調停を申し立てることが可能です。

    ただし、海外在住者の側が調停期日に出席することが難しいようであれば、十分な話し合いを行うことは困難です。この場合、弁護士に代理人としての出席を依頼し、調停の期日には基本的には、代理人が出席をし、当事者間で離婚条件についての合意が得られ、調停の成立見込みの期日については、本人と弁護士が出席すれば離婚が成立する可能性は高いといえます。

  3. (3)裁判離婚の場合|国内在住者の住所地の裁判所に訴訟提起

    裁判離婚を目指す場合、管轄裁判所に対して訴状を提出する必要があります。
    夫婦がそれぞれ国内在住・海外在住と分かれている場合、離婚訴訟の管轄は、国内在住者の住所地を受け持つ家庭裁判所のみにあります
    離婚訴訟の場合、合意により管轄を定めることは認められないので注意しましょう。

    訴訟手続き自体は書面ベースで進行することが多いので、当事者本人がコンスタントに期日に出席できないとしても、代理人弁護士に手続きの遂行を任せておけばおおむね問題ありません。
    ただし、当事者尋問が行われる期日には、帰国して出席する必要があります。

2、夫婦の双方が海外在住の場合の離婚手続き

次に、夫婦双方が海外在住の場合の離婚手続きについて、一方のみが海外在住のケースと比較しつつ解説します。

  1. (1)協議離婚の場合|夫婦の本籍地で離婚届を提出

    ともに海外在住の夫婦が離婚する場合、いずれについても日本国内の住所地(所在地)が存在しないので、夫婦の本籍地が離婚届の提出先になります

    離婚届の提出は郵送でも可能ですが、不安がある場合には近親者や弁護士などに代理人としての提出を依頼するとよいでしょう。

    それ以外の手続きについては、一方のみが海外在住のケースと同様です。

  2. (2)調停離婚の場合|一方のみが海外在住の場合と同様

    調停離婚については、夫婦がともに海外在住の場合にも、夫婦の一方のみが海外在住の場合と問題状況は基本的に同じです。

    夫婦双方が日本国籍を持っている限り、双方の合意によって定めた家庭裁判所に対して、離婚調停を申し立てることができます。
    しかし、離婚調停の期日に出席することが難しい場合には、十分な話し合いをすることができないため、離婚調停が不成立となる可能性があります。1、(2)で述べたとおり、弁護士に代理人としての調停への出席を依頼すると、弁護士が代理人としてい調停に出席できますので、十分な話し合いをすることができる可能性が高まります。

  3. (3)裁判離婚の場合|東京家裁に訴訟提起

    ともに海外在住の夫婦が離婚訴訟を提起する場合、管轄裁判所は「東京家庭裁判所」となります(人事訴訟法第4条第2項、人事訴訟規則第2条)。

    夫婦双方がそれぞれ代理人弁護士を選任すれば、当事者が期日に出席できない場合でも、ほとんどの手続きを問題なく進行することが可能です。

  4. (4)海外の裁判所で離婚を成立させた場合の手続きは?

    夫婦がともに海外在住の場合、現地の手続法に従い、現地の裁判所において離婚が成立するケースがあります。

    海外において離婚が成立した場合、離婚の成立日から3か月以内に、以下のいずれかの届け出先に離婚届を提出しなければなりません。

    • 現地の大使館、領事館
    • 本籍地または届出人の所在地の市区町村役場

3、海外赴任者が離婚をする場合、住民票は必要?

日本に住所を持たない海外赴任者については、住民票が作成されていません。
したがって、住民票の写しを提出する必要がある手続きについては、別の書類を準備する必要があります。

協議離婚・調停離婚・裁判離婚の場合、住民票やそれに代わる書類は必要になるのでしょうか。

  1. (1)協議離婚・調停離婚の場合は不要

    協議離婚で離婚届を提出する場合、住民票の提出を求められることはありません。

    なお、本籍地以外の市区町村役場に離婚届を提出する場合、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の提出が必要になります。

  2. (2)裁判離婚の場合は住民票に代わる書類を提出する

    裁判離婚の場合、訴訟の管轄は夫または妻の住所地を受け持つ家庭裁判所に専属します。

    管轄が異なる裁判所に対して申し立てが行われた場合は、家庭裁判所は原則として審理を行うことができません。したがって、離婚の審理に入る前に、夫婦双方の住所地が確認できる資料の提出を求められます。

    海外在住者の場合、住民票が作成されていないので、住民票に準ずる書面を居住地域の役所に発行してもらうのが一般的です
    もし居住地域の制度において、住民票に相当する公的書類が存在しない場合には、裁判所とコミュニケーションを取りながら、何らかの代わりになる書類を準備することになります。

4、海外赴任者が帰国せずに離婚することは可能?

協議離婚・調停離婚・裁判離婚のいずれの場合も、海外赴任者が帰国しないまま離婚を成立させることができる可能性はあります。

しかし現実的には、協議離婚は帰国せずとも問題なく成立させることが可能ですが、調停離婚・裁判離婚については、期日に合わせて何度か帰国する必要が生じる可能性が高いでしょう

協議離婚の場合、離婚届などの書類を整えて市区町村役場へ提出すれば足りるため、提出までの事前準備をきちんと行えば、海外赴任者が帰国する必要性は低いです。

これに対して調停離婚では、調停期日において相手方との折衝が行われることになります。
調停には、代理人の代理出席も一応認められます。
しかし、調停委員が当事者本人から直接事情や希望を聴取したうえで、調停成立に向けた調整を行うことが、離婚調停における大きなポイントです。

したがって、効果的に離婚調停の手続きを利用したい場合には、調停期日に合わせて何度か帰国するか、それが難しければ、弁護士に代理人として調停に出席してもらい、調停が成立見込みの期日のみ帰国するといった選択をする必要があります。

また、裁判離婚の場合には、ある程度手続きが進んだ段階で、離婚に関する経緯などを聞き取るための当事者尋問が行われるのが一般的です。
当事者尋問の受け答えが裁判官の印象に与える影響は大きいので、実際に当事者として訴訟期日に出席し、ご自身の主張をしっかりと裁判所に対して示すのがよいでしょう

そのためには、代理人弁護士と訴訟の進捗状況の確認や進行について随時協議を重ねつつ、当事者尋問が行われる期日に合わせて帰国し、裁判に出席して当事者尋問を受けることをおすすめします。

5、まとめ

海外赴任者が離婚をしようとする場合、国内のみで完結する離婚とは異なり、書類などの準備や手続きなどの観点から、特殊な配慮が必要です。

海外赴任者の離婚は、ある種の国際離婚案件といえます。
漏れのないように手続きを進めるためには、弁護士に相談することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所は、海外赴任者の方が円滑に離婚を実現できるように、配偶者との条件交渉や、届け出その他の手続きを全面的にサポートいたします。
国際離婚案件に関する豊富な経験を有する弁護士が多数所属しておりますので、初めてご依頼いただく方にも安心です。

ご自身が海外に在住の場合、または配偶者が海外に在住の場合において、配偶者との離婚をご検討中の方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所 新潟オフィスにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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