0120-353-048

平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00

メールでのお問い合わせ 24時間・365日受付
メニュー メニュー

看護休暇は無給って本当? 看護休暇のよくある疑問を弁護士が解説

2021年09月27日
  • その他
  • 看護休暇
  • 無給
看護休暇は無給って本当? 看護休暇のよくある疑問を弁護士が解説

新潟県では、仕事と子育ての両立支援を行うために、「子どもとふれあう時間をつくるために必要だと思うこと」などを調査したことがあります(平成21年度少子化対策に関する県民意識・ニーズ調査)。そのうち、もっとも多かったのは「育児休業や短時間勤務など仕事と家事・育児を両立するための制度が整備されること」という回答でした。

「看護休暇」は、まさに仕事と育児を両立するための制度のひとつです。令和3年1月1日からは、時間単位で取得できるようになったり、取得できる労働者の範囲が広がったりと、より利用しやすい制度になりつつあります。

本コラムでは、「看護休暇を取得したときには無給になるのか」など看護休暇についてよくある疑問をベリーベスト法律事務所 新潟オフィスの弁護士が解説していきます。

1、看護休暇の基礎知識

  1. (1)看護休暇とは

    看護休暇とは、怪我や病気、病気の予防のために子どもの世話をする必要がある「小学校就学前の子どもを養育する労働者」に与えられる休暇です。

    「熱を出した子どもを世話する」「けがをした子どもを病院に連れていく」といった場合だけでなく、病院や保健所などに予防接種や検診を受けにいく場合にも、看護休暇を取得することができます

    労働者が子どもの病気や怪我の際に簡単に休暇を取得し、子育てをしながら仕事を続けやすくなるように設けられました。

    なお看護休暇は、労働基準法に定める年次有給休暇とは別に取得することができます。

  2. (2)看護休暇を取得できる日数

    育児・介護休業法では、小学校就学前の子どもを養育する労働者は、年度ごとに5日を限度として看護休暇を取得できることを規定しています
    ただし小学校就学前の子どもが2人以上いる労働者に関しては、10日が限度とされます。
    つまり未就学児が3人いるときでも、看護休暇を取得できるのは10日間が限度となるということです。

    もっとも法律で定められた日数を上回って取得を認める制度を企業が設けたときには、その日数分取得することが可能です。

  3. (3)看護休暇の取得の方法

    看護休暇は次の事項を事業主に明らかにして、取得を申し出ることが必要です。

    • 労働者の氏名
    • 看護対象の子どもの氏名および生年月日
    • 看護休暇を取得する日時
    • 看護対象の子どもが負傷し、もしくは疾病にかかっている事実または疾病の予防を図るために必要な世話を行う旨


    もっとも子どもの怪我や病気は予測できないので、看護休暇を取得する当日に電話などで連絡することでも認められます。書面の提出が必要であれば、後日提出すれば足りるとされます。

    なお事業主は、労働者に対して、看護休暇取得の理由になる子どもの病気などに関する証明書類(たとえば医師の診断書など)の提出を求めることもできるとされています。

2、どのような労働者が看護休暇を取得できる?

どのような労働者が看護休暇を取得できるのでしょうか?
正社員でなく、アルバイトやパートとして働く従業員も対象になるのでしょうか?

  1. (1)すべての労働者(日雇い労働者は除く)が対象

    看護休暇は、日雇い労働者以外のすべての労働者が取得できます
    正社員だけでなく、アルバイトやパートとして働く非正規従業員も対象になります。
    期間の定めのある雇用契約で働く労働者であったり、配偶者が専業主婦・専業主夫である労働者であったりしても、対象になります。

    従来は1日の所定労働時間が4時間以下の労働者については、看護休暇の取得が認められていませんでしたが、現在は令和3年1月に施行された育児・介護休業法の改正法によって対象が拡大されています。

  2. (2)労使協定があれば取得できない労働者もいる

    日雇い以外の労働者は、事業主に申し出ることによって、看護休暇を取得できるのが原則です。しかし次の労働者について、看護休暇を取得できないとする労使協定があるときには、事業主は看護休暇の申し出を拒むことができるとされています。

    • 事業主に継続して雇用された期間が6か月未満の労働者
    • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者


    なお、時間単位で看護休暇を取得することが困難な業務についている労働者については、労使協定があれば、時間単位の看護休暇を取得することができません。しかしその場合でも、1日単位で看護休暇を取得することはできます。

3、看護休暇は無給って本当?

看護休暇取得中の給与については、法律上規定が設けられていません。そのため事業主によって、無給または有給の扱いは異なります。

無給であるとしても、看護休暇は、育児・介護休業法という法律によって取得できる休暇です。欠勤とは違うため、労働者が看護休暇を取得したことを理由に不利益な査定や取り扱いをすることは禁止されています

ご自身が看護休暇を取得したときに「無給なのか」「有給なのか」は、会社の就業規則を確認することで明確になります。
なぜなら就業規則には、「看護休暇中の賃金の支払いの有無」や「看護休暇中に通常の就労時と異なる賃金が支払われる場合にはその決定、計算および支払い方法など」を記載しなければならないとされているからです。

なお、看護休暇制度や介護休暇制度を導入して、労働者が実際に休暇を取得したなどの要件を満たせば、事業主には両立支援等助成金が支給されることになっています。

4、看護休暇は時間単位で取得できる?

令和3年1月1日より子の看護休暇は、時間単位でも取得できるようになりました。

  1. (1)時間単位の看護休暇

    看護休暇を時間単位で取得する場合には、1日の所定労働時間未満で取得します。休暇取得日の所定労働時間数と同じ時間分の看護休暇を取得する場合は、1日単位での取得として扱われます。

    看護休暇を取得できる「時間」は、1時間、2時間、3時間など1時間単位です。
    労働者が希望する時間数で取得できるようにする必要があり、事業主が一方的に「2時間単位でしか取得を認めない」などとする取り扱いはできません。

  2. (2)時間単位の看護休暇の数え方

    時間単位で看護休暇を取得する場合には、取得時間数の合計が1日の所定労働時間に相当する時間数になるごとに、1日分の休暇を取得したものとして扱われることになります。
    なお1日の所定労働時間が1時間単位でない場合には、端数を切り上げた時間数を所定労働時間として考えます。

    たとえば1日の所定労働時間が7.5時間であれば、所定労働時間を8時間として考えるということです。この場合に、労働者が8時間分の時間単位の看護休暇を取得すれば、「1日分」取得したものとして数えます。

5、看護休暇に時季変更権はある?

年次有給休暇については、会社側に、取得を請求した時期に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には他の時季に与えることができるとする「時季変更権」があります。

しかし看護休暇については、子どもの怪我や病気などに対応するための休暇であり、その日その時間に取得しなければ意味がありません。

したがって看護休暇の取得に対して、会社は「時季変更権」を行使することはできず、労働者は希望どおりの日時に取得することが可能です

6、労働問題は弁護士に相談を

「看護休暇などの休暇の取得を申し出ても会社に拒否される」。「看護休暇を取得したら昇進や賞与などで不利益な取り扱いをされた」。

育児や介護を両立するために整備された制度であっても、会社の運用によっては、適切に労働者の権利が守られないこともあります。しかし個人で会社と交渉しても、労働者側の主張が通らないことも珍しくありません。

そういった場合には、お一人で悩むことなく弁護士に相談することも、大切な選択肢になります。弁護士は、ご相談者様の代理人として、会社と交渉することができます。

弁護士が関与することによって、会社側も本格的に対応する姿勢をみせる可能性も高くなります。また法律や証拠などの根拠を示しながら会社と交渉するので、相手を説得できる可能性も高くなります。

なお弁護士は労働審判や裁判などでも、ご相談者様の主張が適切に裁判所に伝わるようサポートし、最善の結果を得るための活動をすることもできます。

7、まとめ

本コラムでは、「看護休暇を取得したときには無給になるのか」など看護休暇についてよくある疑問を解消していきました。

看護休暇を取得したときに「無給になるのか」「有給になるのか」は、会社によって異なりますので、まずは就業規則の確認をしましょう。
看護休暇は、小学校就学前の子どもを養育する労働者に与えられた法定休暇です。子育てと仕事を両立するためにも、看護休暇の制度を正しく理解して活用することが望まれます。

ベリーベスト法律事務所 新潟オフィスの弁護士は、ご相談者の立場に寄り添い、労働問題を解決するために全力でサポートしています。
お悩みの際には、ぜひお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

お気軽にお問い合わせください ご相談の予約はこちら

0120-353-048

平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00

メールでのお問い合わせ
24時間・365日受付

お気軽にお問い合わせください ご相談の予約はこちら

新潟オフィスの主なご相談エリア

上越市、糸魚川市、新潟市、新発田市、妙高市、長岡市、三条市、柏崎市、小千谷市、加茂市、十日町市、見附市、魚沼市、南魚沼市、村上市、燕市、五泉市、阿賀野市、胎内市、佐渡市、南蒲原郡田上町、三島郡出雲崎町、北魚沼郡川口町、南魚沼郡湯沢町、中魚沼郡津南町、刈羽郡、北蒲原郡聖籠町、西蒲原郡弥彦村、東蒲原郡阿賀町、岩船郡関川村、岩船郡荒川町、岩船郡神林村、岩船郡朝日村、岩船郡山北町、岩船郡粟島浦村その他新潟県近隣(長野、福島、金沢、富山、山形)にお住まいの方

ページ
トップへ