借金地獄から抜け出したい! 債務整理による借金減額の方法を弁護士が解説
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「借金の返済に追われる生活から抜け出したい……」、「なんとかして借金を減額できないだろうか……?」このような悩みをお持ちではないでしょうか? 結論からいいますと、借金は減額することが可能です。 ただし、当然ですが法律で認められた正当な方法で行わなければなりません。 今回は、債務整理によって借金を減額する方法について、新潟オフィスの弁護士が解説いたします。 ちなみに新潟県では、平成28年に1213件の破産申し立てが裁判所になされています。全国的に破産件数がピークにあった2003年ころと比較すると、その数はだいぶ減っているものの、県内でも借金で苦しんでいる人がまだ相当数いることは確かです。 債務整理にはいくつかの種類があります。メリット・デメリットなどを確認したうえで、それぞれの債務整理に向いているケースをご案内します。 出典:「新潟県統計年鑑 2017(司法・警察)」(新潟県庁)
1、債務整理の種類
はじめにお伝えしたように、借金を減額するには債務整理を行うのが有効です。債務整理とは文字通り、「債務」を「整理」する手続きで、借金を根本的に解決できる手段といえます。
債務整理には、「過払い金請求」・「任意整理」・「個人再生」・「自己破産」の4種類があります。そして、4つの中でもリスクやデメリットが小さく、利用しやすいのが「過払い金請求」と「任意整理」といえるでしょう。
2、過払い金請求で借金を減額する
借金の「減額」を望む場合、まず検討したいのが「過払い金請求」です。
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(1)過払い金請求とは?
過払い金請求は、利息制限法の上限(金利18%以上)を超えて支払ったお金を貸金業者(消費者金融やクレジットカード会社)から返してもらう手続きをいいます。これは法律で認められた権利です。
お金を借りている人(債務者)は、その相手(債権者)に対して利息を支払わなければなりませんが、利息制限法という法律で「元本額10万円~100万円未満の借金の場合には、利息は年18%まで」と決められています。ちなみに、「元本額10万円未満の場合には、年20%まで」、「元本額100万円以上の場合には、年15%まで」となっています。 -
(2)過払い金が発生する仕組みとは?
過払い金が発生する仕組みを説明するうえで避けて通れないのが、以前存在していた「グレーゾーン金利」というものです。
グレーゾーン金利とは、「利息制限法」が定める上限金利(年15%~20%)と「出資法」が定める旧上限金利(年29.2%)の間の金利のことをいいます。
前述したように、「利息制限法」によって、お金を貸すときの利息の上限は年15%~20%までと決められているのですが、出資法(借金や金利などの取り締まりに関する法律)という法律では、旧上限金利が年29.2%とされていたため、多くの貸金業者がこの出資法の利息(上限29.2%)で貸し付けを行っていました。
貸金業者が出資法の上限利息を超えて貸し付けを行った場合には刑事罰(5年以下の懲役または1000万円以下の罰金)が科せられるのですが、利息制限法で定められた利息額を超えるぶんには、民事上では問題となるものの、刑事罰は科せられなかったのです。こういった「グレー」な金利という意味で「グレーゾーン金利」と呼ばれています。
平成22年6月に「改正貸金業法」が完全施行され、出資法の上限金利が20%に引き下げられたため、現在ではこのグレーゾーン金利は撤廃されています。
これら(グレーゾーンの利息)は本来支払う必要のないお金ですから、当然、債務者は今まで払い過ぎていた利息を取り戻すことが可能です。ただし、貸金業者側から「もらい過ぎていた利息をお返ししますね」と連絡してくることはありません。ご自身に過払い金があるかどうか、弁護士に調査を依頼するのが望ましいでしょう。 -
(3)過払い金がある可能性が高いケースとは?
過払い金が発生している可能性が高いケースとしては、以下がひとつの目安となります。
- 平成22年ごろよりも前に借り入れを開始した人
- 借金を完済してから10年以内の人
上記のケースだからといって必ず過払い金が発生しているとは限りませんので注意が必要です。
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(4)過払い金請求が向いているケース
過払い金請求は、借金完済後と返済中のどちらにも行うことができる手続きです。
返済中に過払い金請求をするケースにおいて、戻ってきたお金で完済となれば良いのですが、完済までには至らなかった場合、「任意整理」(次で解説します)扱いとなり、信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に記載されてしまいます。ただ、返済が滞っている場合にもブラックリスト入りとなってしまうわけですから、ご自身の借金の金額や返済状況などを考慮して行うのが良いでしょう。
返済中であっても特に過払い金請求をおすすめできるケースとしては、複数の貸金業者から借金をしていて、過払い金により完済に至る業者がある場合が挙げられます。この場合には、ブラックリストに載ることなく借金を減らせる可能性が高いといえるでしょう。
複数の貸金業者から借金をしていても、過払い金によって完済に至る業者があるかどうかを自身で判断することは非常に困難となりますので、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
3、任意整理で借金を減額する
自己破産などに比べてリスクやデメリットが少ない債務整理の方法に「任意整理」があります。
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(1)任意整理とは?
任意整理とは、貸金業者との交渉によって借金額や月々の返済額を減らし、現在よりも支払いの負担を軽くする手続きです。「自己破産」や「個人再生」とは異なり、裁判所を通さない貸金業者との和解交渉となります。一般的には弁護士が代理人となって行います。
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(2)任意整理のメリット・デメリット
任意整理のメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- 貸金業者からの催促が来なくなる
- 不動産や車など、財産を維持できる
- 職業制限(一定の職業につけなくなること)がない
- 将来利息(任意整理より後の利息)がカットされる
デメリットとしては、信用情報機関への記載により、一定の期間、クレジットカードの利用やローンを組むことができなくなることなどが挙げられます。
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(3)任意整理が向いているケース
一概にはいえませんが、次のようなケースでは任意整理が向いていると考えられます。
- 安定した収入がある人
- 家族や周囲にばれずに借金を減額したい人
- 過払い金が発生している人
- 特定の貸金業者を除いて債務整理をしたい人
任意整理によってどのくらい借金を減らすことができるかは、借入期間や返済状況などによって変わるため一概にはいえませんが、利息が高い業者と長期に亘って取引をしているケースでは、減額の幅が大きい傾向にあります。
4、債務整理を弁護士に相談するメリット
お伝えしてきたように、過払い金請求や任意整理では、貸金業者との交渉が必要となります。このとき、債務者が自分で交渉を行おうとしても、そもそも債権者である貸金業者が応じてくれないことがあります。仮に応じた場合であっても、債権者のペースで話が進むことが多いため、対等に交渉することは非常に難しいでしょう。債務整理に関する知識や経験が豊富な弁護士であればそのようなことは起こりません。月々の返済可能額などを債務者と相談のうえ、もっとも適した方法で貸金業者との交渉を行います。
また、債務整理を弁護士に依頼することで貸金業者からの取り立てがストップします。精神面な圧迫から解放されることも大きなメリットといえるでしょう。
5、その他の債務整理の方法
「過払い金請求」と「任意整理」以外の債務整理の方法について、簡単にご説明します。
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(1)個人再生
個人再生とは、裁判所を通じて借金を減額する債務整理手続きをいいます。裁判所に提出した再生計画が認められると、一般的には債務が5分の1まで減額され、それを3~5年の分割で支払うことができれば、残りの債務については免除となります。
自己破産とは違い、一定の条件を満たせば財産(不動産など)を手放さずに手続きをできるのがひとつの特徴です。任意整理では支払いきれない多額の借金を抱えている場合や自己破産をしたくない場合には、個人再生が向いているといえるでしょう。 -
(2)自己破産
自己破産とは、裁判所ですべての借金をゼロにする手続きをいいます。裁判所で借金の返済が不可能だと認められ、免責許可が得られると、税金や養育費などを除くすべての借金を返済する必要がなくなります。
自己破産をすると、住宅や車などの財産は換価処分(差し押さえた財産を金銭に換えること)されてしまいますが、申立人の最低限度の生活を保護するための一定の範囲の財産(99万円以下の現金、家具や家電など)については対象となりません。
6、まとめ
今回は、借金を減額・解決する方法としてもっとも有効といえる債務整理についてご案内しました。
ベリーベスト法律事務所では、それぞれの借金の状況に合わせて最適な債務整理のご提案をしています。また、依頼者の借金の状況から、迅速に過払い金の有無を調査したうえで、返還請求までを一貫して行うことができます。成功報酬となっていますので、余分な費用がかかることはありません。
無料の法律相談も行っておりますので、おひとりで苦しむことなく、ぜひお気軽にご相談ください。一日も早く、穏やかな生活を取り戻しましょう。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています