理不尽なクレームへの正しい対応とは? 新潟オフィスの弁護士がクレーム対策を解説

2019年04月11日
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理不尽なクレームへの正しい対応とは? 新潟オフィスの弁護士がクレーム対策を解説

新潟市に隣接する加茂市には、クレーム対応がきっかけで元クレーマーが上顧客になることが少なくない最強のコールセンターを擁する会社があります。カスタマーセンターにはエース級の社員が配属され、お客さまから多くのお礼状が送付されていると報道されていました。

このように、クレームはお客さまの声として重要視される側面もあります。しかし、理不尽なクレームを続ける悪質クレーマーが存在することは否定できません。悪質クレーマーは自身の要求が通るまでしつこく粘着します。その対応をひとりに任せ続けると、会社の生産性と従業員のモチベーションを低下させ、経営状態を悪化させる危険性も考えられるでしょう。

そこで、今回は理不尽なクレーマーへの正しい対処法について、ベリーベスト法律事務所 新潟オフィスの弁護士がわかりやすく解説します。

1、おびえるのはNG! 悪質なクレーマーの目的とは?

  1. (1)悪質クレーマーの目的

    自分の欲求を満たすために理不尽な要求を執念深く続けるクレーマーは、悪質クレーマーと呼ばれているようです。悪質クレーマーに明確な定義はありませんが「理不尽な要求」を続けるクレーマーは悪質クレーマーと判断してよいでしょう。

    彼らの目的はさまざまで、過大な金銭を要求することもあれば、従業員の解雇や社長の土下座、などの無理難題を押し付けてくることもあります。

    目的はクレーマーによって異なりますが、共通していると考えられるのは、目的が果たされるまで長期間粘着することです。たとえば、電話を切らせない、なかなか立ち去らないなど経営に支障をきたしかねない迷惑行為が続きます。

    時にはインターネットを用いて、ネガティブな情報を書き込み拡散するなどと脅して目的を果たそうとします。

  2. (2)悪質クレーマーは担当者の「おびえ」を喜ぶ

    悪質クレーマーは、企業側のおびえた態度を喜びます。日頃のストレスをクレームで発散するタイプの悪質クレーマーは、おびえた態度を見たいがために理不尽な言動を繰り返すことも少なくないと考えられています。自分の要求が通りそうだと、自分が正しいことを主張していると認識できるためです。

    したがって、クレーマーに対しておびえた態度をとってはいけません。しかし、一般的な感覚を持つ方であれば、だれであろうと面と向かって暴言を吐かれたり電話口で怒鳴られたりしていると恐怖を感じてしまうものです。

    だからこそ、経営者は悪質クレーマーの対応ルールを作り、組織で悪質クレーマー対策を行うことが重要になります。経営者本人なら毅然(きぜん)とした態度を取れるかもしれませんが、従業員にそれを求めるのは酷であると考えられます。クレーム対応を従業員に押し付け続けることによって、従業員が離職してしまう、人が集まらないなどの事態に陥りかねません。

2、担当者が行うべき理不尽なクレームの対処法は?

  1. (1)クレーム対応の基本を知っておく

    まずは、理不尽なクレームへの担当者の対応について、順を追って解説します。

    ① 謝罪する
    担当者が悪質なクレーマーに直面したとき、まずやるべきことは事実を確認した上で、丁寧に謝ることです。その際に重要なのは「不快な思いをさせてしまった点」について謝罪することです。クレーマーの主張する理不尽な問題について謝罪する必要はありません。

    ② クレーマーの個人情報を確認する
    その上で、クレームに至った経緯と要求をしっかりと聞き、名前や住所、電話番号なども確認しておきましょう。のちのち、弁護士対応や訴訟等の法的手続きを取る際にクレーマーの連絡先等が必要不可欠となります。

    ③ クレーマーの主張の裏を取る
    次は、クレーマーが主張している内容の事実確認を行います。いったん電話を切る、席を外すなどしてクレーマーの話していることが事実なのかどうかを確認しましょう。クレーマーの主張が正当なものであれば、誠実に対応しなければなりません。

    しかし、クレーマーの主張が不当である場合、もしくはクレームに至った経緯は正当でも要求が過大なケースや、度を越したどう喝などを繰り返す場合もあるでしょう。その際は、毅然とした対応が求められます。

    ④ クレーマーの言動を録音、録画する
    悪質なクレーマーと判断したら、電話を録音する、会社に訪問してくる場合は防犯カメラ等で録画するようにしましょう。クレーマーの行為が違法行為である場合は、刑事告訴する際の重要な証拠になります。

    ⑤ 恐喝、脅迫、暴力行為、立ち去らないなどの場合は警察へ
    クレーマーが以下のような行為をしているときは、迷わず警察へ通報しましょう。

    • 「要求を飲まなければ○○する」などの恐喝や脅迫行為をしている場合
    • 従業員や備品、壁などに危害を加えようとしている場合
    • 何度言っても立ち去らない場合

    ⑥ 担当を変える
    クレーマー対策で重要なのは、組織で対応することです。クレーム問題を担当者個人の問題とせずに会社全体で対応しなければなりません。ひとりの従業員に対応を丸投げしていると、その従業員に負荷がかかりすぎて業務に支障をきたします。また、前述のとおり場合によってはどれほど優秀な社員であっても退職してしまう可能性もあります。

    理不尽なクレーム対応は担当者任せにせずに、上司などが対応すること、そして人を変えて対応することなどが非常に重要なポイントとなります。それでも、クレーマーの粘着が治らない場合は、弁護士に対応を一任することも視野に入れましょう。

  2. (2)クレーム対応ルールを経営者が決めておく

    これらの一連の流れを担当者の判断で行うことはできません。したがって、経営陣がクレームの対応方法をあらかじめ決めておき、しっかりと教育することが重要です。

    「誠心誠意対応しているのに怒りを収めない」、「そもそも理不尽な要求をしている」などのクレーマーには毅然と対応すること、時間を決めて上司に対応をチェンジすることなどを日頃から徹底しておきましょう。

    繰り返しになりますが、大切なのは「組織で対応すること」です。できれば、交渉力がある弁護士と顧問弁護士契約を結び「いざという時は弁護士に連絡をしよう」を合言葉に、自分たちで解決する必要はないという共通認識を持ちましょう。法的に問題にならない対応方法などについて検討したいときは、弁護士に頼ることもひとつの手です。

3、弁護士が行うクレーム対策とは

弁護士といえば、損害賠償請求や契約関係で依頼することが多いイメージがあるかもしれません。しかし、クレーム対応を弁護士に依頼することで、クレームに関する悩みのほぼ全てから解放されます。近年では、クレーム対応を弁護士に依頼する企業が急増しているのです。

ここでは、弁護士がクレームに対して行う対策を解説します。

  1. (1)クレーマーとの交渉窓口になる

    弁護士にクレーム対応を一任すると、弁護士があなたの会社の代理人となってクレーマーと交渉します。したがって、あなたや従業員がクレーム対応に時間を割かれることはありません。

    弁護士は、クレーマーに「受任通知」と言って、「私が○○社の代理人となったので、今後は私と話をするように。○○社に直接連絡しないでください」という内容の文書を送付します。その時点で多くのクレーマーがトーンダウンします。なぜならば弁護士相手では理不尽な要求が認められないことがわかっているからです。

  2. (2)クレームがおさまらない場合は速やかに法的措置に移行

    弁護士に依頼してもクレーマーが訪問や電話をやめない場合は、弁護士は速やかに法的措置に移行できます。

    脅迫や暴力、名誉毀損(きそん)などの違法行為があった場合は、警察への通報や告訴も可能です。クレーム行為によって経済的損失や物理的損失(建物や器具の破壊など)があった場合は損害賠償請求も速やかに行えます。

    また、インターネット等に誹謗中傷の書き込みがなされた場合は、プロバイダーや管理者等に削除要請を行い、聞き入れなければ裁判所に申し立てることで、速やかに書き込みの拡散を予防できます。

4、まとめ

悪質クレーマーの対応を間違えると、長期間にわたりあなたの会社と従業員を疲弊させます。クレーム対応を従業員に一任することで、従業員に精神的負担がのしかかり退職の連鎖につながることも少なくありません。また時間を割かれることで、生産性が落ち売り上げが減少する可能性もあるでしょう。

だからこそ、クレーム対応は組織で行うこと、そして最後は「弁護士が控えている」という環境にすることが大切です。大きな問題になる前に、悪質クレーマーの対応を弁護士に一任すれば、長期化せずスムーズに収束することもあります。

ベリーベスト弁護士事務所では、リーズナブルな顧問弁護士プランを用意しています。クレーム対策の一環として導入を検討してみてはいかがでしょうか。現在、クレーム問題を抱えている経営者さま、ご担当者さまは一刻も早くベリーベスト法律事務所 新潟オフィスに相談してください。数々のクレームを解決してきた実績豊富な弁護士が、状況を確認した上で適切な対策をアドバイスします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています